なぜ、いま「実装」が不可欠になったのか。マーケティングが構造の時代に入った理由。│代表コラム

デジタルマーケティングの遷移(株式会社ワンエイティ)
デジタルマーケティングは今、戦術を積み上げるだけの時代を終え、
本質的な「構造」の時代へと突入しています。
最近、多くのマーケティング責任者の方とお話しする中で、共通の「違和感」を耳にすることが増えました。
「ツールもデータも揃っている、施策も数多く打っている。それなのに、なぜか手応えがない(やってる感が以前より出ない)」という声です。
なぜ今、多くの企業で成果が安定しなくなっているのか。
その核心にある「実装」の欠如と感じており、少し掘り下げてみたいと思います。
1. マーケティングが機能しなくなった、本当の理由。
多くの現場で起きているのは、改善の「属人化」です。
担当者の経験や勘に頼った判断は、短期的には機能しても、組織としての再現性は生まれません。
・ツールは増えたが、判断基準がバラバラ
・施策の良し悪しが個人の主観で決まっている
・データはあるが、活用できる形になっていない
これらが積み重なると、組織の成長は「担当者の優秀さ」という不確実な要素に縛られてしまいます。
さらには、担当によっては、「自分だけがわかっている」という状態で自分のポジションを守ってしまうこともあります。
2. 人の直感だけでは、もはや追いつかない。
環境の変化は私たちの想像以上に速くなっています。
広告アルゴリズムの複雑化、
組織間でのデータの分断。
そして何より大きいのが、「Cookie(クッキー)規制」による計測環境の激変です。
サードパーティCookieの利用制限により、従来のやり方では「誰が、どこから来て、どう動いたか」というデータに巨大な欠落が生じています。
これはGA4の導入だけで解決できる問題ではありません。
計測できない「見えない世界」が広がった今、断片化されたデータから真実を読み取るには、これまで以上に高度なデータ基盤の設計が必要になっています。もはや、優秀なマーケターが管理画面を眺めて感覚的に最適化できる限界を超えているのです。
見えない世界が広がった今、必要なのは“勘”ではなく“構造”です。
3. 施策は「点」、構造は「線と面」。
戦術(施策)をいくら積み上げても、それは点の集合に過ぎません。
私たちが考える「構造」とは、それらの点をつなぎ合わせ、
誰が担当しても同じ高い精度でPDCAが回り続ける仕組みのことです。
「実装」の定義は、
実装とは、ツールを入れることでも、施策を打つことでもなく、
「判断が、正しく回り続ける状態」を構造としてつくること。
構造化されていない施策は、担当者が変われば消えてしまいます。
しかし構造化された仕組みは、失敗すらも「データ」という資産に変え、次の一手をより正確なものにします。
4. 「つなぐ存在」が必要だった。
多くのプロジェクトがデジタルマーケティングに手応えを感じないのは、分析・戦略・実行が分断されているからです。バナー配信をする、SNSでバズらせる、メルマガを打つ。いずれも点での試作になりがち。
Cookie規制によってデータが不透明になった今、高度な分析をしても、それを現場の実装(構造)に落とし込めなければ、ただの「推測」で終わってしまいます。
スピードが求められ、判断回数が激増している現代において、「実装」はもはや選択肢ではありません。分析と実行のギャップを埋め、知性を仕組みとして統合する。それが、これからの不確実な時代に求められる「実装」という役割だと信じています。
まとめます。
「実装」とは、特別な技術や一部の企業だけが持つものではありません。
それは、変化の激しい環境において事業を前進させ続けるための、いまや不可欠な「前提条件」です。
私たちは、実装を単なる作業や支援とは捉えていません。分析・戦略・実行を分断せず、
判断が正しく回り続ける構造を完成させること。それこそが、これからのデジタルマーケティングに求められる姿だと考えています。
We don’t sell tactics. We implement architecture.
戦術を売るのではなく、構造を実装する。それがワンエイティのアプローチです。