CDPとは?CRM・DMPとの違いやシステム導入するメリット・注意点を解説

CDP(カスタマーデータプラットフォーム)は、さまざまなシステムの顧客データを収集、統合して分析するアプリケーションです。
本記事では、CDPの機能や特徴、CRM・DMPとの違いを詳しく解説します。CDPを導入する注意点についても説明しているので、CDP導入に迷っている方はぜひ参考にしてください。

CDPとは?

CDP(Customer Data Platform:カスタマーデータプラットフォーム)とは、顧客の属性や行動履歴などを収集・管理・活用するプラットフォームのことです。

デジタル時代となり、企業のマーケティング戦略においてデータの収集と分析はますます重要になっています。
CDPを導入するとメールアドレス、サイトやプラットフォームへのアクセスログ、行動履歴などの顧客データを収集することができたり、CRMやSFAなどの既存システムと連携するとより深い顧客理解が得られたり、これらを統合したデータを活用することで顧客一人ひとりに合わせたアプローチができるようになります。

【動向】なぜCDPが注目されている?

インターネットの普及により顧客行動が多様化するなか、顧客に関するデータは複雑化し量が肥大化しました。
これらのデータを統合し分析するツールとして大きな役割を担うCDPは非常に注目されており、Web広告やマーケティング活動の質を上げるためにも欠かせない存在といえます。
CDP市場は急速に成長し、2030年には247億6,000万ドルに達すると予想され、日本の市場でも増加傾向にあります。近年ではAIとの統合によりデータ分析が高速化し、よりパーソナライズされたマーケティング戦略が期待されています。

CRM、DMPとの違い

CDPと似ているツールとして挙げられるのは「CRM(顧客関係管理)」と「DMP(データ管理プラットフォーム)」です。
CRMとは既存顧客との良好な関係を構築したり、継続したり、向上させたりするための顧客管理のことや、それを実現するためのツールのことを指します。
DMPとはユーザーの属性やWEBサイト上での行動履歴など個人を特定できないデータを管理するツールのこと。広告を最適化するために有効なツールですが、顧客の属性などの分析に使用できるため、マーケティングや営業など幅広い業務で活用が可能です。
CDPとは異なる目的と強みを持つCRMやDMPと組み合わせることで、企業のマーケティング戦略の効果を最大限にします。

CDPの機能 ・特徴

データ収集機能

CDPはユーザーのさまざまな情報を収集する機能を持ちます。
これには、氏名・年齢・性別などの「属性」、「嗜好」、Webサイトアクセスログ・購買履歴などの「行動履歴」が含まれます。情報の収集はテレアポなど直接アプローチするプッシュ型と、Webサイトなど顧客の接触を待つプル型の両方で行うことが可能です。
CDPの活用で詳細なデータ収集と分析が可能になり、一人ひとりの顧客に最適化したOne to Oneマーケティングの実現につながります。

データ統合機能

CDPはWebサイト、SNS、実店舗などから収集したデータを顧客IDに紐づけ、個人のデータとして統合する機能があります。複数のシステムから収集した氏名やメールアドレスなどを統合することで、より詳細な個人情報の作成が可能です。
CDPで一度顧客データを紐づけるとその後の顧客行動は自動的に集約されます。これにより個々の顧客プロファイルが作成され、購買履歴、行動データなどが一元管理されます。このデータは最新の状態に更新されるので、市場の変化や顧客のニーズに即応したアプローチやマーケティング戦略が展開可能です。

データ分析機能

CDPは収集・統合したデータを詳細に分析する機能を持っています。
顧客の属性や購買履歴を統合することで、顧客一人ひとりを対象にした分析が可能です。これにより、顧客の傾向や相関関係、顧客インサイトを深く理解できます。
さらにCDPは自社内のデータだけでなく、外部サービスのデータを連携し、組み合わせて利用することが可能です。主に利用される外部サービスは、データ分析機能を持つBIツール、マーケティング活動を効率化するMAツールなどがあります。
これにより広告施策などで必要なターゲット分析をより効果的に行うことができ、マーケティング戦略の精度が向上します。

CDPのメリット

顧客データの一元管理ができる

CDPを導入することで、顧客データの一元管理が容易になります。
異なるシステムに顧客データが分散していると誤った施策を講じるリスクがありますが、CDPにより顧客データを一元管理することで、顧客の購買習慣や嗜好を深く分析し適切なマーケティング施策につなげます。これにより効果的なターゲティングと顧客満足度の向上が期待できます。

分析やマーケティングを効率化できる

CDPにより顧客データの分析やマーケティングが効率化できます。
各システム・ツールのデータをそれぞれダウンロードしてExcelで分析するには時間がかかりますが、CDPは自動的に顧客一人ひとりのデータが統合されるため手間がかかりません。これにより作業の工数や時間を大幅に削減でき、よりスピーディで正確なマーケティング施策の実現につながります。

社内の情報共有がしやすくなる

CDPにより社内での情報共有がしやすくなります。
顧客データの統合により、マーケティングや営業、カスタマーサポートなど、どの部門からでも同じ情報にアクセスできます。各部門の協力がなくても社内データが一元化されるため、顧客に関する情報の不一致を防ぐことが可能です。

CDPを選ぶ時の注意点

CDPでやりたいことを明確に定める

CDPの導入では、やりたいことを明確に定めることがまず大切です。
CDPの導入によって得られる成果を測定するために、適切なKPI(重要業績評価指標)を設定しましょう。KPIとは、企業の目的に達成に向けたプロセスや行動を評価するための指標のことです。
業務効率化や成約率向上など多角的な視点からKPIを設定し、その達成度を定期的に評価することが大切です。明確な目標設定を行うことでスムーズな導入が可能となるでしょう。

既存システムとの連携可否を確認する

CDP導入までの第一歩として、既存のシステムとの連携が出来るかの事前確認は重要です。
自社で使用するECプラットフォームやメール配信ツール、CRM、MAなどと連携が出来ることを確認しておきましょう。また、今後新しいシステムやツールを導入する可能性も考慮し、連携できるシステムが多いCDPがおすすめです。
また、複数のシステムデータを利用する場合は顧客情報を自動的に統合することができるかの確認も必要です。設定の可否およびデータの形式を整える必要性があるかなどを確認しておくことで、スムーズな導入ができるようになります。

従業員にとって扱いやすい体制を構築する

CDP導入に際して、従業員が扱いやすい体制もカギになってきます。
CDPの中には操作性が難しく、従業員がうまく扱えない製品もあるためです。導入前に無料体験を利用し、従業員が使いやすいかどうかや、サポート体制が充実しているかどうかも確認しておく必要があります。
さらにCDPを導入してビジネス目標を達成するためには、社内で専任チームを立ち上げることも有効です。このチームはマーケティングやIT、データ分析など異なる分野の専門家で構成します。これにより、導入後の運用がスムーズになり効果的なデータ活用が実現できるでしょう。

セキュリティシステムやプライバシーを事前に確認する

CDP導入にあたり、セキュリティシステムやプライバシー保護のシステムを事前に確認しましょう。
CDPは個人情報を扱うため、情報漏洩のリスクを防ぐための厳重なセキュリティ体制が不可欠なためです。企業は法令遵守を徹底し、高いセキュリティ基準を維持する必要があります。顧客の情報が適切に管理されていることを明確に示すことが企業への信頼につながるでしょう。
セキュリティやプライバシー保護の事前確認により顧客データの安全な活用と管理をする必要があります。

CDPの導入でマーケティング戦略の質を向上!

CDPにはデータ収集、統合、分析などの機能があり、顧客データの一元管理して効果的なマーケティング分析に役立ちます。
この分析結果は、CRMやMA、メール配信ツールなどと連携させることでマーケティング効果を向上させることが可能です。CDPの導入する際は、システム連携やデータ処理方法などを事前に確認しスムーズな導入につなげましょう。

ワンエイティでは、自社開発のCDPツール「DIGITALEYES」を展開しています。CDP、CRM、DMP、MAの機能がすべて利用できる万能なツールで、企業や商材の課題によって柔軟にカスタマイズを行っています。

また、弊社ではコンサルタントが企業の課題と向き合いさまざまなご提案を行っておりますので、CDPの導入を検討しているものの「適切な活用方法がわからない」「システムとの連携が不安」といったお悩みをお持ちの方は、ぜひお気軽にご相談ください。

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