ECサイトのポイント制度を導入する方法と注意すべき点について

現在運営しているECサイトにポイント制度を導入したい!と思っていても、何から始めたらいいかわからない......そんなお悩みを抱えていませんか。
本記事では、ポイント制度の導入で悩んでいる方のために導入の流れやシステムを選ぶ際の注意点について解説していますので、ぜひ参考にしてください。

ECサイトのポイント制度・機能については こちら で詳しく解説しています。

ECサイトのポイント制度を簡潔に説明!

ポイント制度とは、ECサイトで商品購入をした顧客に対してポイントを発行・付与する制度のことです。付与されたポイントは商品購入の際の割引などで活用することができます。

ポイント制度を導入することで、「競合他社との差別化」「商品の付加価値がつく」「新規顧客・リピーターの獲得」など、さまざまなメリットが期待できます。近年はポイントを貯めたり活用したりする「ポイ活」が注目を集めていることもあり、新規顧客の獲得を狙う企業・ECサイトのポイント制度導入が増加しています。

ECサイトにポイント制度を導入する方法

ここではポイント制度を導入する方法について詳しく解説していきます。

ポイント管理システムを導入する

既にECサイトを運営している場合、ポイント管理システムを導入することができます。
ポイント管理システムは、ポイント発行や残高・有効期限などを一元管理するシステムです。ECサイトのほか、実際の店舗での商品購入時にもポイントを付与することができたり、販促や顧客の分析ができたりと多くのメリットがある反面、初期費用や運用費用など導入に際し追加のコストが発生する懸念点があります。

オンライン決済サービスを導入する

既に運用しているECサイト、またはこれから開設するECサイトにオンライン決済サービスを導入する方法があります。
「オンライン決済」とはインターネット上で決済を完結できるシステムのことで、「PayPay」や「楽天Pay」などが該当します。顧客が商品購入時に利用したオンライン決済サービスのポイントが付与されるため、ポイントの汎用性が高く自社サイトでの購入率向上に期待できます。

しかし他社でも利用できるポイントのため、顧客がリピーター化せず他社へ流れてしまう可能性もあります。

ASPサービスを使用する

まだECサイトを開設していない方やシステムの入れ替えを検討している方は、ASPサービスが便利です。
ASPとはアプリケーション サービス プロバイダ(Application Service Provider)を略した言葉で、インターネットを介してソフトウェアを利用できる仕組みのことです。既に完成されている仕組みを使用するため低コストで導入が可能です。
ASPサービスは商品管理、決済機能、ポイント機能など運用に必要な機能が揃っており、短期間で導入することができますが、機能やデザインのカスタマイズ性・拡張性が低いというデメリットがあります。

ECサイトにポイント制度を導入する際の流れ

ECサイトにポイント制を導入する一般的な流れを順番に見ていきましょう!

1.要件定義

要件定義とは、ECサイトにポイント制を導入するための設計図のようなもので、ポイント制導入のための目的や機能、必要な事柄を明確にしていきます。ポイント制を導入するためには、サービス全体の方針や基本的なルール、ポイント付与の方法、顧客のポイント利用方法などを事前に固めておくことが大切です。
目的などを明確にせずにポイント制を導入してしまうと利益率の低下などに繋がる恐れがあります。

2.システムの選定と契約

さまざまなシステムが存在しますが、選択する際は要件定義で決定した「やりたいこと」が実現できるかどうかが重要です。
「有名だから」「利用数が多いから」という理由だけではなく、機能や使いやすさ、拡張性など、費用など総合的に判断し、契約することをおすすめします。
また、既にECサイトを運用している場合はシステムの連携ができるかの確認も必要です。

3.運用設計、データ移行

システムの導入が決まれば、今後はどのようにシステムを運用していくのかなどの運用設計を行います。
既存のECサイトから他のツールの入れ替えを行う場合や、「POSシステム」「受注管理・顧客管理」などの外部システムとの連携を行う場合は、データの移行作業や連携作業のため時間がかかったり、追加費用が発生する可能性もあるので注意が必要です。

4.オペレーションの指導

初めてポイント制度を導入する場合、スタッフがシステムに慣れるまで時間がかかります。
ECサイトや実店舗のスタッフには、事前にポイントシステムの概要や目的、操作方法などをレクチャーする必要がありますので、運用開始までに研修時間を設けておくことをおすすめします。しっかりとスタッフへインプットしておくことで、顧客とのトラブルを防ぐことに繋がります。

5.いよいよ運用開始

1~4まで終われば、いよいよポイント制度の運用スタートです。
運用開始後はポイント付与のタイミング、付与したポイント数など運用面に相違がないか、制度開始前と後の顧客の動向、反応などを確認できるようにしておきましょう!

ECサイトのポイント制度を導入する際に押さえておくべきこと


ECサイトでポイント制度を導入する際は、押さえておくべきポイントがいくつかあります。
ポイント制を導入した後に頭を悩ませないためにも、押さえておくべきポイントをしっかりと把握しておきましょう。

ポイントを付与するタイミング

商品の注文時、発送時、決定時などいつの段階でポイントを付与をするのか、決定します。
商材の特性や同業他社の条件などを鑑みて検討することをおすすめします。また、商品の購入だけでなく、ログイン時や会員登録時、キャンペーン、バースデーなどのタイミングでもポイントを付与される施策があれば、顧客の購入意欲をより促すことが可能です。

ポイントの有効期限を設定する

ポイントを管理する上で、有効期限の設定は必須です。
無期限とすることも可能ですが、付与したポイントに有効期限を設定することでポイントに関する負債管理が容易になる利点があります。また、顧客側も有効期限があると「損をしたくない」というユーザー心理が働くため、自社サイトへの誘導や商品購入の促進ができ、売上アップが期待できます。

自社独自のポイントか、ポイント交換先を増やすか

ECサイトのポイントは「自社のみで使える場合」と「他社とポイントを共有している場合(前述 オンライン決済サービスの導入 参照)」があります。言葉の通り、前者は自社のECサイトや実店舗のみで利用ができるポイントのこと、後者はポイント加盟店であれば相互に利用できるポイントのことです。

オンライン決済サービスを利用している場合は自動的に他社とポイントを共有することになりますが、自社ポイントの場合でも「ポイント交換システム」を導入すれば同様のことが行えるようになります。これにより自社ポイントの価値を高め、競合他社との差別化を図ることが可能です。

ポイントの管理方法や分析方法

ポイント制度を導入した目的を果たしているのか、効果的に機能しているのかなどを確認するため、ポイントの管理・分析方法を決めておきましょう。
導入効果が出ている場合は顧客満足度を向上する施策を検討し、効果が出ていない場合は原因を追究した上で改善をしたり、必要に応じてキャンペーンを実施したりとPDCAサイクルを回していくことが重要です。

ポイントシステムを選ぶ際のポイント

ECサイトでポイントシステムを選ぶ際のポイントとしては、以下のようなものを押さえておきましょう。

対応可能な業種や業界

ポイントシステムは特定の業種・業界に特化しているものもあるため、選定の際には対応可能な業種や業界をしっかりと確認しておく必要があります。
また、ECサイトと実店舗をどちらも運営しているのであれば、併用ができる業者かどうかも判断基準となります。システム会社へ問い合わせを行う場合、自社の業種・業界に対応可能かを併せて確認するようにしましょう!

導入実績を調べておく

選択するシステムの導入実績を確認しておくと安心です。
システムの導入実績が少ない場合、システムの信用性や柔軟性、ノウハウなどが本当にあるのかが分かりません。自社のECサイトと同業種の導入実績がある場合には、ポイントシステム導入のメリットやデメリット、課題などを把握することができるのでしっかりとチェックしておきましょう。

操作のしやすさ

システムを利用する上で顧客情報の入力やキャンペーンの割引設定などを行う必要が出てきます。その際に操作がしにくいシステムでは、操作に時間がかかってしまったり、運用が上手くいかなくなってしまったりする可能性があります。導入前にトライアルとしてシステムを試すことができる場合は実際の画面を触りながら検討することをおすすめします。

ポイント制導入の流れを理解し、スムーズに運用をスタートしましょう

ECサイトのポイント制度は顧客が自社のECサイトで商品購入時にポイントを発行し、ポイントは付与された後に商品購入の割引として活用できる制度です。ポイント制を導入する際には、しっかりと導入の流れを把握しておくことでスムーズに運用をスタートすることができます。

株式会社ワンエイティは自然派ワインのECサイト「wine80」を運営しており、ポイント制度を導入しています。
ECサイトの開設、運営しているECサイトへのポイント制度導入をご検討の際にはぜひワンエイティにご相談ください。